…というより。


「…この部屋に4人はさすがに暑くない?」


たまらなくなって珍しく私から発言すると、全員「たしかに」とぼやいた。



それもそのはず。



私の部屋のクーラーは相当年季が入ってて、そろそろ買い直す?という話まで出ているくらい効きが悪い。



千夏と2人でいる時でさえじんわり汗をかいていたというのに、4人も集まったらじんわりどころの話じゃなくなってくる。



こうしてる間にも額から汗が流れてきて、なかなか辛くなってきたとき、影野くんが口を開いた。



「じゃあさ、このまま出かけようよ」



「出かける…って、どこに?」



千夏の疑問に私を含めた他3人が頷く。



「今日、高校の近くの公園で夏祭りやってるんだって。花火は上がるかどうか知らないけど、楽しそうじゃない?」



「え…すっごい楽しそう…!行こうよ雫!!」



影野くんの提案に目を輝かせる結弦は、さながらゴールデンレトリバーのよう。