「明日、学校お休みでしょ? 一緒に行こうよー」



えっ。

明日?

いいけど、急だなぁ。


それに。

私はちらりと祐樹先輩を見る。



「祐樹先輩、怪我しているし、来週はどうかな?」

「えーっ」



頬を膨らます瑠衣くん。



「じゃあ、僕が奈々ちゃんと2人で、」

「それは許さない」



星矢くんと祐樹先輩の声が重なる。

思わず2人の顔を見る。



「……奈々と瑠衣だけ、っていうのは心配だ」

「ああ。奈々に子守りをさせているみたいで悪いな」

「僕、子供じゃないもん! 奈々ちゃんの彼氏だもん!」



……誰が私の彼氏なんですか。

私に“彼氏”という存在はいないですよ。


駄々をこねる瑠衣くんは、やっぱり子供だと思う。

遊園地に行って、私が子守り役するのは目に見えている。


はあ。

と、ため息をつく祐樹先輩。



「明日、行ってやるか」

「でも、祐樹は怪我しているからお留守番っ」

「急に怪我人扱いするな」



そんなやりとりが微笑ましかった。


今日1日、色々あったけど。

明日はみんなで遊園地。

思いっきり楽しもう。