「私は、」
立ち上がる私。
背中をフェンスにつけて、寄りかかった。
「瑠衣くんが、世間の目とか気にするのは仕方ないと思う」
私は、膝を抱えて座っている瑠衣くんに視線を向ける。
瑠衣くんも私を見上げていて。
その目は揺らいでいた。
「だけどね、世の中が作り上げた、勝手なルールにはとらわれて欲しくない」
もちろん、マナーとか必要最低限のことは大事だと思う。
だけど。
『芸能界にいるから、こうしなくちゃいけない』
『自分は、こうあらなくちゃいけない』
なんて、切なすぎる。
「……世の中の人たちが思い描く姿にならないと、僕の価値は下がる」
「下がらないよ」
瑠衣くんの価値は下がらない。
だけど、価値を下げるとしたら。
「自分の価値って、自分で決めるものだと思う」
自分はダメな人間だって思ったら、ダメな人間になってしまうかもしれない。
だけど、『自分は自分なんだ』って認めることが出来れば。
それが“本当の自分の価値”なんだと思う。
立ち上がる私。
背中をフェンスにつけて、寄りかかった。
「瑠衣くんが、世間の目とか気にするのは仕方ないと思う」
私は、膝を抱えて座っている瑠衣くんに視線を向ける。
瑠衣くんも私を見上げていて。
その目は揺らいでいた。
「だけどね、世の中が作り上げた、勝手なルールにはとらわれて欲しくない」
もちろん、マナーとか必要最低限のことは大事だと思う。
だけど。
『芸能界にいるから、こうしなくちゃいけない』
『自分は、こうあらなくちゃいけない』
なんて、切なすぎる。
「……世の中の人たちが思い描く姿にならないと、僕の価値は下がる」
「下がらないよ」
瑠衣くんの価値は下がらない。
だけど、価値を下げるとしたら。
「自分の価値って、自分で決めるものだと思う」
自分はダメな人間だって思ったら、ダメな人間になってしまうかもしれない。
だけど、『自分は自分なんだ』って認めることが出来れば。
それが“本当の自分の価値”なんだと思う。



