世界でいちばん 不本意な「好き」



事前にくっつけてほしいと頼まれていた、紗依には赤色、あっこにはみどりのリボンを巻いて完成。


「ありがとう!じゃあ、行ってきます!」

「気をつけて」

「楽しんできてね」


ふたりに手を振って送り出す。

良いなあと、少し、うらやましいような気持ちになってしまった。


なんだかそれどころじゃなかったけど、わたしもそろそろ彼氏がほしいかも…。


つぎこそは、一番にしてくれるひと。



「そういやふみとって彼女とかいんの?」


食堂名物のカレーを食べながらショーマが聞く。

なんとなく周りを見渡す。だって、芸能人に、なんてこと聞いてんだ。


「いないいない」

「いつから?」

「最後にいたの10年前くらいかも」

「「は!?」」


うそでしょ、10年前って。高2から26歳までいないってこと?……ちょっと考えられない。


「え、そんなおどろく?俺、一応芸能人なんだけど」

「けど芸能人だって付き合っちゃ悪いことはねーだろ?」

「そんなにファンが大事なの?もしかして恋愛禁止とかあるの?」


あっこがスキャンダルがないって言ってたけど、それにしたって。


「10年とかありえない…」

「おれら別れて数週間ですでに堪えられてねーのに、なあ、アリス」



チャラチャラしたあんたと一緒にしないでほしい、とはとても言えない。


わたしと寧音と立て続けに付き合いわたしの前にも彼女がいて、中学のときも相手が途切れたことがないって聞いた。

そんなショーマと、基本的に常に彼氏に傍にいてほしいわたし。たとえば今から26歳まで恋人がいないとか……考えただけで生きていく自信がなくなってくる。