貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~

「アハト様、八百屋なんて行かれるんですか?」

 そう思わず問うたとき、
「今の話で気になるの、そこだけですか」
と言う声がした。

 振り向くと、フェルナンが立っていた。

 アローナはちょっと困った顔で二人を見る。

 フェルナンを脅しているのはアハトだという話を思い出したからだ。