その頃、 ……やばい。 アローナ姫に散々なこと言ってしまった、と城の前庭に出て、頭を冷ましながら青くなっていたフェルナンは星空の中を飛びながら、鷹が戻ってくるのを見た。 「お、お前はアローナ姫の鷹っ。 どうしたのだ。 いい餌もらって飛んでったのではないのか」 と言いながら、足につけたはずの手紙を見たが、消えている。 「落としたのか?」 と旋回する鷹を見上げて言ったとき、 「あっ、フェルナン様っ。 アッサンドラの一行が……っ」 と城門の方からやってきた兵士が慌てて言ってきた。