貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~

「わかった。
 約束しよう。

 皆の者、準備をせよ。
 アローナ姫とその一行を我が国の大事な客人としてもてなす準備を」

 はい、と事の成り行きを見守っていた城の者たちが動き出した。

 近くまで来たフェルナンが小声でささやいてくる。

「ジン様。
 かなりかかりますよ、アッサンドラまで。

 返事かあるまで姫に手を触れないと約束してしまって、ほんとうによかったんですか?」

 ジンは一瞬考えたあとで、アローナの手を取り、言った。

「アローナ、鷹を呼べ。
 いい餌をやるから、休みなく飛べと言え」

 は、はあ、とアローナは困った顔をする。