ジン様ーっ!
と口をぱくぱくさせながらアローナは広い王宮の廊下を走っていた。

 すると、花咲き乱れる中庭に出る。

 中庭といっても建物の途中にある場所で。
 庭とつながった開放的な部屋という感じなので、天井もあった。

 上の階には普通に廊下や部屋があるようだ。
 そこでジンはフェルナンと話している。

 アローナは見た。

 ジンのちょうど頭の上。
 天井の一部が外れ、誰かが顔を出そうとしているのを。

 慌てて、アローナは二本の指を丸め、指笛を吹く。

 すると、すごい勢いで鷹がやってきた。