大きな鳥がこちらに向かい、飛んできた。

 アローナとジンの間に割り込んできたそれは、鷹だった。

 旅の途中の連絡用にと連れてきていた伝令用の鷹だ。

 アローナが消えたことを伝えてくれたのも、この鷹だろう。

 アローナはこの鷹と庭でよく慣れ親しんでいた。

 それで、今もアローナを助けてくれたのだろう。

 鷹の足に伝令文はついていない。

 ということは、旅の一団はもうかなり近くまで来ているのだろう。

 伝令の鷹がアローナの肩に舞い降りるのを見たジンは、ハッとしたように、アローナを見て言った。

「そうか、お前の正体はっ」

 そうです!

 私の正体は!