貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~

 そっとその手に触れると、ジンもまた少し照れたように言ってきた。

「……不思議だな。
 お前がそうして恥じらうからだろうか。

 娼婦ではなく、花嫁を迎えたような気持ちだ」

 そっとアローナの頬にキスしてくる。

「……行こう。
 お前に街を見せてやる」

 そう繰り返し、外回廊に出た。