「いや~、それ以前に、式でもなにかが起こりそうですよ。
 花嫁が消えたりしそうです」
とアローナとジンの夜を見張るフェルナンの声が扉の外からする。

「……いいから、出て行けっ、お前たちっ」
と邪魔されたジンは怒鳴ったが、シャナは、しれっと言ってきた。

「いや~、見た目、姿を消しても、しゃべらなくとも。
 我々はお二人を警護してるので。

 どのみち、常に、何処からかあなたがたを見てますけどね~」

 そりゃそうなんでしょうが。
 とりあえず、口には出して言わないでください……とアローナは赤くなる。

 それでも、ジンはシャナを叩き出すと、二人を遠ざけ、扉を閉めた。

 誰も入ってこないよう、その前に家具を動かしている。

 いや、かなり無駄な感じがしますけど……と思うアローナの側まで来たが、ジンはすぐにはなにもせずに、少し照れたような顔をしていた。

 そんなジンを見て、アローナは微笑む。