「いや、エメリアたちは、アハト様にそれ以上ふっかけてますから。 おそらく、我らに払った三倍近く」 「なんとっ」 とまた声を上げたジンは、 「アハト、無駄遣いがすぎるぞっ」 と今、此処に居ないアハトをたしなめようとする。 いやあの……、ちょっと気になるんですが。 あなたの中の私の金額、如何(いか)ほどなんですかね? なんか屋台のピンクのぐるぐるのお菓子並な気がしてきましたよ。 少なくとも、エンが焼く超絶美味しい焼き菓子よりは下そうだ、とアローナは思ってしまう。