貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~


 ……すっかりレオ様に飼い慣らされてるな、と思いながら、
「では、ステファン様」
とアローナが言うと、

「ステファンでいい。
 そう呼ばれたら、俺もお前のことをアローナ様と呼ばなきゃいけなくなるじゃないか」
と頭は言う。

「そんな、一緒に旅した仲じゃないですか」

 水臭いですね~、などと言って笑い合ったが。

 ……そういえば、この人に連れ去られたせいで旅がはじまったんだったな、とアローナは思い出す。

 だがまあ、あまり細かいことは気にしない性格なので、そのまま流した。

「それにしても、ステファンって名前だったんですね」

「違うぞ」
と頭は言う。

「こんなところで本名を使うわけないじゃないか。
 ちなみに、こいつはステファン2(ツー)
と頭が酒壺を運び終わったと報告しに来たごつい男を紹介して言い、

 その男が更に横に居た男を紹介して言った。