ジンはアローナを振り向いたが、手をつかみかけて、照れたようにやめてしまった。

「……たまにはこうして出て来てみような」

「……はい」
とアローナも少し赤くなり、頷く。

 ジンとふたり、路地裏で待っていた馬車に乗り込んだ。