上客を送り出したあと、砂漠に落ちる夕陽を眺めながら、エメリアが、
「さあ、いよいよ不夜城に火が灯る時間ね」
と更に気合を入れたとき、その一団は砂埃とともにやってきた。
「エ、エメリア様、水を一杯……」
とボロボロになってやってきたのは、旅をするのに全く適していない高価な衣をまとった美しい娘だった。
「あら、アローナどうしたの?
また城を追い出されたの?」
「……一度も追い出されてませんよ」
そんなアローナの後ろから更にボロボロの盗賊団がやってきた。
「どうしたの?
またアローナを売りに来たの?」
更にその後ろからゆったり歩いてレオがやってくる。
「酒を一杯所望する」
一体、なんの集まりなんだ、とエメリアが思ったとき、盗賊団の頭がアローナを紹介し、言ってきた。
「エメリア、うちの新しいリーダーだ」
「……それ、どんな下剋上?」
とエメリアは、かつてアローナを売った男たちとアローナを見た。



