貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~




「困りましたね~。
 んごんごの葉がありません」

 海岸に生えている木々をアローナは見上げていたが、椰子の木っぽいものしか此処にはなかった。

「なんだ、んごんごって」

「大きな葉っぱの木なんですよ。
 木なのかな?
 よくわかんないですけど。
 木かデッカイ草みたいな。

 さっきの島にはいっぱいあったのに」

「それでなにをするのだ?」

「家を作るんですよ。
 って、レオ様、まったく動かないですねっ」
とアローナは椰子の木陰に横になっているレオを見る。

 そのうち楽器でも出してきて、優雅に弾き語り始めそうだ。

 諦めにも似た気持ちで、アローナは海の方を見た。