さて、寝床寝床と島の中をアローナは見回す。

 すると、大きな葉っぱの木がたくさんあるのに気がついた。

 あ、これいい、と思ったアローナは、
「貸してください」
と言って、近くにいた盗賊が腰のベルトに挿していた小さな斧をおもむろにつかんだ。

 いきなり木を切り倒そうとして止められる。

「わ、我々がやりますからっ。
 我々がやりますから、アローナ様っ」

「いえ、皆様は船をお直しください。
 私は皆様が休息をとれる場所を作ります」

「アローナ様っ」

「なんでもお命じくださいっ」

 その様子を眺めていた(かしら)が呟いていた。

「すごいな、この娘の人身掌握術……」