貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~

「なんか状況によっては、いきなり、レオ様に乗り換えたりされそうで、怖いんですけど……」
とアローナは不安を吐露してみたが、

「まあ、そういうこともあるかもしれませんな」
と否定もせずにアハトは言う。

 だが、そのくらい腹を割ってくれている方が安心だ、と思いながら、アローナは、
「では、アハト様。
 ついて来てください。

 ああ、焼き菓子が到着してから」
と言った。

 ジン様にも菓子を渡さねばならないから、もう一回、エンに焼いてもらわないとな。

 ……なんかものすごく高くつきそうだ、と思いながら、もう鷹の居ない外を見る。