「レオ様にお会いしたいのです。
手土産がいるかなーと思いまして」
「あなたにとっては父君ではないですか。
菓子のひとつやふたつ、持っていけばいいのではないですか?」
美味しい菓子は世界を侵略できると言うくらいですからね、とアハトは言い出す。
「はあ、侵略できるかどうかは知りませんが。
今、焼き菓子により、ジン様から深い恨みを買ったところですよ」
アローナが片頬に手をやり、小首を傾げてそう言うと、
「なにやってらっしゃるんですか。
もっとジン様のご機嫌をとっていただかないとっ」
とアハトが文句を言ってくる。
いや、あなたの立場のために私がジン様に寵愛されねばならない義理はないんですが……と思いながらも、アローナは言った。
「ジン様、そういうところ、ちょっと子どもみたいなんですよね。
……意外で可愛らしいかなとは思いますが」
とポッとアローナが赤くなると、
「……で?」
とアハトが言ってきた。
は? とアローナは訊き返す。
手土産がいるかなーと思いまして」
「あなたにとっては父君ではないですか。
菓子のひとつやふたつ、持っていけばいいのではないですか?」
美味しい菓子は世界を侵略できると言うくらいですからね、とアハトは言い出す。
「はあ、侵略できるかどうかは知りませんが。
今、焼き菓子により、ジン様から深い恨みを買ったところですよ」
アローナが片頬に手をやり、小首を傾げてそう言うと、
「なにやってらっしゃるんですか。
もっとジン様のご機嫌をとっていただかないとっ」
とアハトが文句を言ってくる。
いや、あなたの立場のために私がジン様に寵愛されねばならない義理はないんですが……と思いながらも、アローナは言った。
「ジン様、そういうところ、ちょっと子どもみたいなんですよね。
……意外で可愛らしいかなとは思いますが」
とポッとアローナが赤くなると、
「……で?」
とアハトが言ってきた。
は? とアローナは訊き返す。



