貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~

「嫌ですよ~っ」

「せっかくもらったんだろう。
 一回くらい着てみないと悪いだろうが」

「じゃあ、ジン様が着てくださいよ」

「いや……なんでだ」
とジンが言ったとき、

「なんの騒ぎなんですか」
と申し訳程度のノックのあと、フェルナンが入ってきた。

「いや、アローナに服を着せようとしているのに、この娘、着ないのだ」

 すると、フェルナンは呆れ、
「何故、着せているのですか。
 その人は脱がせてくださいっ」
と言い出す。

「いつまで遊んでいるのですか、王よ。
 式はまだできてはいませんが、もうアッサンドラにも話は通してある正式な花嫁なのですよ、アローナ様は。

 いつまで、ごちゃごちゃ揉めているのですっ」
とふたりまとめて怒られた。

「いや、脱がせるために、着せているのだ」
とジンは言い訳し、

「最初から脱がせればいいでしょうっ」
とフェルナンに叱られる。