貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~



 ジンに少し酒をついでやり、それ以上についでもらったアローナは、
「ぐびぐび行くな……」
と呆れられながら、喉を潤していた。

 いや、すっきりして飲みやすかったので、つい、と思いながら、アローナは手を打った。

「そうだ。
 そういえば、エメリア様からお土産をいただいたんでした」

 警備の者が部屋の隅に運んでくれていた青い宝箱のような箱のところに行くと、どれどれ、とジンもついてくる。

 箱を開けてみると、中には、薄紫の透ける素材の布に金の飾りのついたセクシーな服が入っていた。

 手触りのいい布地のその服を手に、アローナが固まっていると、
「よし、着ろ」
とジンが後ろから言ってきた。

 いやいやいやいやいやっ、とアローナは首を振ったが、

「脱がせやすそうないい服だ、着ろ」
とジンは言う。