「では、達者でな、アローナ。
 もし、私が城に返り咲くまでお前がジンの後宮にいたら。

 アッサンドラには送り返さず、私の後宮に入れてやろう」

 そうアローナはレオに言われた。

 いえいえ、結構です……。

 っていうか、返り咲くおつもりなんですか?
といささか不安になりながら、ははは……とアローナは笑ってごまかそうとする。

「そうだ。
 もしも、お前がジンに飽きて、他の男の許に行きたくなったら。
 今日の礼に、ジンの気がお前からそれるような良い女を見繕って送ってやろう」

 ……送らないでください。

 私はジン様で間に合っています。

 とジンよりもフェルナンが聞いたら、激怒しそうなことをアローナは思う。