貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~





「シャナとやら」
 外に立っていたジンはカーヌーンを手に出て来たシャナを呼び止める。

 そもそも王である私が妃の寝所から先に出て、殺し屋が後から出てくるってどうなんだ、と思いながら。

「なんですか、打ち首ですか?」
とシャナは横柄に訊いてくる。

「……打ち首にすると言ったらどうするんだ?」
と問うと、

「逃げます。
 逃げ足だけは速いんで」
と言ってきた。

 役に立たない殺し屋だな、と思う。

 何処の国だ、最初にこいつを雇ったのは……。

 処刑すると言ったら、一瞬後には煙のように消えていそうなシャナに、
「そんな話ではない」
とジンは言った。

「実はお前を雇いたいんだ」
と打ち明けると、

「ほう。
 どなたを殺すんですか?」
とちょっと嬉しそうに訊いてくる。

「いや、そうではなくて。
 ちょっと困ったことがあってな。

 父がアローナのことを聞きつけたようなのだ」