貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~

「王の寝所に殺し屋を招き入れるのはどうだ」
と言われたが。

 いや、あなた、昨夜は褒美をとらせてましたよ、と思いながらも言わずに、シャナの演奏する美しいカーヌーンの音色に合わせ、アローナは歌を歌った。

 ほう、とジンは感心する。

「いい声をしているな。
 だが、歌の内容が、調味料の順番なのは何故だ……」

「子どもの頃、よく調理場に遊びに行っていたんです。
 おやつくれるから」
と言って、

「……どんな王女だ」
と言われる。

 いやいや、虫歯になるからとおやつ制限されてたからですよ、と思いながら、アローナは言った。

「それで、料理人たちが面白がって、新米に覚えさせる歌を私にも覚えさせたんですよ」

 陽気なリズムで歌いやすいので、子どもの頃からよく歌っている。

 今でも一番得意な歌だ。

「呑気な城だな。
 だから、父上などにいいようにされたんだ」

「……はい」
とアローナはそのときだけ、神妙な顔をした。