貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~

「ゴソゴソするな」
と耳許でささやかれ、逃げようと身じろぎするのをぴたりとやめる。

「いや、そこまで硬くならずに。

 ……もうちょっとだけ、じっとしてろ」

 ……はい、と小さくアローナは頷いた。