貢ぎモノ姫の宮廷生活 ~旅の途中、娼館に売られました~

「新しい王は横暴な方ではないから、気に入れば、大事にしてもらえるかもしれないぞ。
 まあ、王様という奴はなにを考えているかわからないものだからな。

 いきなり殺されても恨むなよ」
と言うアハトに、

 ……いや、この菓子一個で、殺されても恨むなと言われても、とアローナは思う。

 だが、最後まで美味しくいただいた。

 それにしても、新しい王?

 前の王様はどうしたのだろう、と思っている間に、白く美しい宮殿に着いた。

 砂漠の国の宮殿とも似た感じだが。

 側に見張り台として使っているのか、異国風の堅牢な高い塔があり、受ける印象は全然違う。

 交通の要所となっている国だからだろうか。

 いろんな文化が混ざっている感じだな、とアローナは思った。