外に出ると空気はすっかり初夏の気配がして。 髪を揺らす風が気持ちよかった。 「結月、少し公園で話をしようか。おいで」 そう言って高槻先輩が私に手を差し出した。 こ、これは私に手を繋げって催促してるんだよね? 私から繋がなきゃならないんだよね? じーっと差し出された先輩の手を見ていると、 「もう、繋ぎたくないの?」 って先輩から手を繋いでくれた。 なんか先輩の行動一つ一つに胸がキュンとなる。苦しくなる。 嬉しいのに時々泣きたくなる。