私は小瓶の蓋を開け、鼻を寄せ、嗅いでみた。 「!」 ふんわり優しい甘い香りが、ふぁーっと広がる。 甘いお菓子を食べるのとはまた別の、幸福感。 「……白く光る柔らかな香り……」 「イーリス。君は僕の心に咲いた、可憐な白い花」 「いいにほぃ……」 うっとりしている私の手から、王子が小瓶を取り上げる。 「ハンカチや襟元にチョンとつけてもいいし、こうして……両方の手首につけて、こすって、耳の後ろにも」