お日さまみたいな温かい君に包まれて

フフッ、可愛い。
その照れくさそうに笑うところも大好きだよ。
って、心の中で付け足しておいた。


気づけば、海岸で遊んでいた人達はいなくなっていて、砂浜には俺達だけが座っていた。

それもそうか、まだ暑いもんな。多分みんな涼みに帰ったんだろう。



「……告白、遮ってごめんね」



隣に視線を向けると、切ない眼差しと目が合った。



「清水くんと仲良くなればなるほど、優しさに触れれば触れるほど、自分が醜い人間に見えてきて……苦しかった。だから答えられなかった。本当にごめんね」

「いいよ。もう気にしなくていいから」



育った環境が違うから釣り合わないとか、隣に立つ資格なんてないとか、そんなの関係ない。

弱々しく言葉を紡いだ彼女の華奢な手に自分の手のひらを重ねる。



「雪塚さんが好きです」

「……っ、私も。清水くんが好きです」



やっと聞けた。やっと笑ってくれた。


涙がこぼれ落ちた彼女の瞳には、もう悲しみも苦しみも、切なさも寂しさも、孤独感も渦巻いていない。

晴れ渡った青空のように、澄んでいてきらめいていた。


君を大切にする。幸せにするって誓うよ。


頬を伝った涙を拭い、重ねていた手を肩に回して、彼女をそっと抱き寄せた。