「雪塚さんがわかりやすく教えてくれたおかげで、2学期の英語の成績、めっちゃ良かったんだよね」
「あー、言ってたね。『俺のオススメだよ!』って、渋いせんべいをお礼にくれたよね。あれすごく美味しかった」
「だよね~! 再販してくれねーかなぁ」
思い出話に花を咲かせる。
一時期めっちゃハマってて、毎週のように食べていたせんべいをプレゼントした。
昼休みに雪塚さんと一緒にボリボリ食べてたら、『シュールな光景』ってクラスメイトに笑われたっけ。
あんまり人気がなかったのか、販売終了になっちゃってショックだったなー。
「せんべいも印象的だったけど、やっぱりニンジンのインパクトが強かったな」
「アハハ! 今も思い出すと笑っちゃう?」
「……たまにね」
その日の日記に「清水くんが面白かった」と書いたほど印象深かったらしい。
雪塚さんはニンジンだけど、俺はあの可愛い笑顔が印象的だった。
「腹抱えて笑ってたの、めっちゃ可愛かったよ」
「ええっ⁉ あのゲラゲラ笑いのどこが⁉ 惚れる要素ゼロじゃん!」
「俺には魅力的に見えたんだよ」
思いっきり笑うところも、ふわって優しく笑うところも大好きだよ。
そう目を見て伝えると、「何言ってんの……」と頬を赤く染めて顔を逸らされた。



