ツボにはまったのか、腹を抱えて笑い出した。
目尻にはうっすら涙が浮かんでいる。
あのおとなしい雪塚さんが、まさかこんなに笑うとは思わなかった……。
ツボが浅いのかな……?
その後、5時半まで英語を勉強をして解散となった。
雪塚さんと帰り道が同じらしいので、途中まで一緒に帰ることに。
『今日はありがとう』
『いえいえ、こちらこそありがとう。ゲラゲラ笑っちゃってごめんね。うるさかったよね』
『全然! 俺もツボったらあれくらい笑うし! そんなに面白かった?』
『だって野菜に例えるって思わなかったから……。次からあの色の組み合わせ見たら思い出し笑いしちゃいそう』
日が落ちて薄暗くなった道を歩いていく。
自転車通学で、美術部に入ってて、読書と絵を描くのが好きで。
東馬とはよく勉強の教え合いっこをしているんだそう。
話せたのは別れるまでの数分間だけだったけど、こんなに明るく笑うんだなぁって、これまで抱いていた印象がいい意味で崩れた。
当時は自覚してなかったけど……今思えば、あの勉強会がきっかけで恋心を抱き始めたんだと思う。



