お日さまみたいな温かい君に包まれて

「「いただきます」」



砂浜にシートを敷いて腰を下ろし、コンビニで買ったサラダチキンにかぶりついた。

俺らも傍から見たら、制服デート中のカップルって思われてるのかな。



「清水くん見て、追いかけっこしてるよ」

「わぁお、お熱いですねぇ」



遠くの波打ち際で、カップルらしきふたりが走り回っている。


あ、捕まった。
わー、彼氏さんデレデレしてる。幸せそ~。

楽しそうだけど、たくさん人がいる前で堂々とイチャつけるなんてすげーなぁ。



「雪塚さんはああいうのしてみたいって思う?」

「えっ⁉ まぁ、人がいないなら……清水くんは?」

「俺も。2人きりの時なら」



おにぎりを頬張っている彼女と目が合い、気まずくなってパッと視線を逸らした。

自分から聞いたのに何恥ずかしがってんだ。
ってか、付き合ってもないのにこんなこと聞くなんて。


……だけど、嫌じゃないんだよな?
2人きりの時ならやってみたいってことだよな?



「清水くん……? 大丈夫? 暑い?」

「えっ⁉ 大丈夫だよ!」



バカ、何心配されてんだよ。
妄想してドキドキしてただけなのに。

今日はデートしに海に来たわけじゃねーんだからしっかりしろっ。