お日さまみたいな温かい君に包まれて

「あおちゃ~ん!」



観覧車に向かっていると、またも雪塚さんの友達らしき人が目の前から走ってきた。



「ゆ、由菜ちゃん⁉ 久しぶりー!」

「久しぶり~! 元気だった~?」



由菜ちゃんという女の子は、満面の笑みで雪塚さんの手を握った。

背丈は俺の肩ぐらいで、さっき見た女の子達とは違って、ふわふわして優しい雰囲気をまとっている。


この名前、どこかで聞いたような。



「初めまして。葵ちゃんの幼なじみの由菜です」

「あぁこちらこそっ。雪塚さんのクラスメイトの清水です」



自己紹介をしてペコリと頭を下げる。


思い出した!
前にファミレスで話してくれた、ゲームがめっちゃ強い、癒し系ゲーマーの女の子だ!



「あ、そうそう、実は爽汰くんも今日ここに来てるんだよ。さっき会ったんだ」

「えっ、そうなの⁉」



目の前で会話を繰り広げる彼女達。

へぇ、弟くんも来てたんだ。
まさか姉弟揃ってピンポイントで行き先が被るとは。

受験勉強の息抜きに遊びに来たのかな。



「久々にやったからか、8000点しか取れなかったよ」

「ええ~っ! 私なんて5000点なのに! 充分だよ!」

「いやいや! 私はもっと上を目指してるから!」