お日さまみたいな温かい君に包まれて

○○○



「お互いに誤解して1回すれ違うところで、『話を聞いてやれよー!』って、思わず叫んじゃったよ」

「あぁ~、お互いになかなか言い出せなくて、頑固になっちゃうところだよね?」

「そうそう!」



入学式後の登校日。

登校してすぐ雪塚さんの席にお邪魔し、一緒に小説の感想を伝え合った。

胸キュンした部分や感動した部分が同じと知り、ますます話が盛り上がる。


白熱しすぎて、きっと周りのクラスメイト達は驚いているであろう。

だって雪塚さんはクラスでおとなしいほうで、あまり人前ではしゃがないタイプだから。



「ねぇ! 雪塚さんなら、好きな人と夏休みを過ごすなら何したい?」

「そうだなぁ、図書館で宿題をするとか、浴衣着てお祭りに行ったり、花火したり。なんかこう、夏! って感じのことがしたいな!」



興味本位で尋ねてみたら、満開の花みたいな笑顔で答えてくれた。

なるほど……季節ならではのイベントか。


進学はしない予定だから、俺にとっては学生最後の夏休みになると思う。

雪塚さんにとっては忙しくて遊ぶ暇もない夏休みかもしれないけど……最後に一緒にどこか行きたいなぁ。