お日さまみたいな温かい君に包まれて

「実玖も泣いただろ……片想いしてたもんな……」

「う、うん……ちょっぴり泣いたよ。でも、ここまでボロボロ泣いてはないよ」



俺は昔から喜怒哀楽がハッキリしてて、感情移入が激しいタイプだった。

笑う時はゲラゲラ笑って、怒る時は大声を上げて……今思えば、ちょっとうるさい子どもだった気がする。


今はだいぶ落ち着いたほうだけど、家族や気を許した友達の前だと、つい感極まってしまう。

東馬と実玖から、『感情がすぐ顔に出るからわかりやすい』と口を揃えて言われてしまったほど。


そのため、今まで嘘や隠し事をしたことがほとんどない。

というか、すぐバレるからできないんだよな。



「もうすぐ読み終わるから、もうちょっとだけ貸して……」

「わ、わかった……」



ティッシュを受け取り、本が汚れないように鼻に詰め込む。

番外編には、数年後、大人になって再会する話が書かれているらしい。


ヤバい、タイトルを見ただけでもまた涙が出そう。

もう……この作者さんは、一体どれだけの読者を泣かせてきたんだ……。


その後、泣き腫らした目のまま、家族に心配されながら夕食を食べ、お風呂を済ませた後、最後まで一気に読んだ。