お日さまみたいな温かい君に包まれて

だけど、こうやって話を聞いた今、胸が締めつけられるように苦しい。

きっと、今の晴れやかな顔に至るまで、何度も悩んで、何度も涙を流したはずだから。



「勝手に嫉妬して、八つ当たりして、本当にごめん」

「いいよ。お前が幸せになったんなら良かったよ。
……俺のほうこそ、ちゃんと話聞かなくてごめんな」



謝罪に謝罪で返すと、彼は一瞬目を丸くし、フッと笑みを漏らした。



「お前が素直になったところ初めて見た」

「はぁ? なんだよいきなり」

「相変わらず俺様系でシスコンなところは変わってなさそうだけど。もしかして、好きな子でもできた?」

「っ……うるせぇな!」



顔をニヤつかせる彼の背中を強めに叩く。


小山のアホ! これじゃトイレに逃げてきた意味がなくなっちまったじゃねーか!

もう、せっかく落ち着いてきたのに、また熱くなってきた……。


顔の熱が完全に冷めないままトイレを後にし、「頑張れよ~」と肩をポンと叩いて去っていった彼を軽く睨みつけて席に戻った。




「おかえり。遅かったけど、具合悪かったの?」

「いや、中学時代の友達とバッタリ会っちゃって、ちょっと話し込んじゃった。待たせたごめんね」

「ううん、なんともないんなら良かった」