お日さまみたいな温かい君に包まれて

月日が経ち、4年生の12月。

「このまま卒業したら後悔する! 告白しよう!」と腹をくくった母は、父をデートに誘った。それもクリスマスイブに。


食事して、プレゼント交換して、イルミネーションを見て……そして、大きなクリスマスツリーの前で告白し、無事に成功。

ちょうど日付が変わる頃だったから、クリスマスの日から交際がスタートしたんだそう。


他の人からしてみたら胸キュンする話なんだろうけど、両親の話だからすごくむず痒い。

あぁ、回想してたら鳥肌立ってきた。



宿題に取り組むこと3時間。
昼食を食べに近くのファミレスへ向かった。



「これから『クリスマスデート』って聞く度に、真っ先に親の顔が思い浮かびそうだよ」

「アハハ。今度はおじいちゃんとおばあちゃんにも聞いたら?」

「お父さんとお母さんの両方の? 気になるけど、覚えてるかなぁ」

「覚えてるんじゃない? 今も連絡取ってるんなら、ボケてはないと思うよ?」



ハンバーグを食べながら馴れ初めの話で盛り上がる。


じいちゃんとばあちゃんの馴れ初め……。
4人共70代だから、学生時代なら50年以上前か。

まだその時代は、スマホどころか携帯電話もなかったから、家の電話で連絡し合ってたわけだよな。