お日さまみたいな温かい君に包まれて

「マジ? 俺も! 俺は親に馴れ初めを聞いたんだ~」



自由研究のテーマが同じとわかり、心が弾む。


最初は子どもの頃に流行った物を聞いたんだけど、途中からお母さんがノロケ話をし始めたんだ。

しかも、普段大人しいお父さんまで。


今まで見たことがないくらい顔真っ赤にしてて……もう恥ずかしくて見ていられなかった。



「えっ⁉ 馴れ初め⁉ 先生に見られちゃうけど……良かったの?」

「うん! 出会った場所とかデートした場所を書くから大丈夫!」



いくら被らなさそうとはいえ、ノロケたっぷりのエピソードを書くのはさすがに抵抗がある。

そのため、それぞれの思い出の場所を書くことにした。

いわゆる、自分が生まれるまでの歴史をまとめるって感じかな。



○○○



バスに揺られること約20分。ようやく図書館に到着。

本を何冊か取って、勉強に集中しやすいよう、あまり人が来なそうな端っこの席に座った。


俺の両親は大学で出会ったから、まずは大学の歴史について調べる。


サークル内で人気者だった母に秘かに恋心を抱いていた父。

そんな母も、控えめで知的な父のことが気になっていたらしい。


でも、なかなか気持ちを伝えられなくて、ずっと友人関係のままだったそう。