お日さまみたいな温かい君に包まれて

服をパタパタさせて熱を冷ます彼女の顔を眺める。


家まで送り届けた次の日。

【元気になったよ】って連絡は来てたんだけど、まだ完全に回復してなかったのか、ホームルーム開始の3分前に登校してきた。


雪塚さんが言うには、フラついていたのは、多分、栄養不足で貧血になったからだと。

というのも、実はここ最近、暑さにやられて食欲不振だったらしい。

最近痩せたなぁって思ったら、夏バテしてたんだって。



「あ、腕は……もう治った?」

「うん、だいぶ。心配かけてごめんね」



実は、その日がちょうど終業式の日で、正装で行かないといけない日だったから、みんな規定の白い半袖シャツを着ていたんだ。


その時、雪塚さんの両腕に、ベージュのテープが巻かれていたのを見てしまって……。


『ただぶつけただけで、色が目立ってたから隠してきた』と少し気まずそうに説明された。

大怪我じゃなくてホッとしたけど……前にも何ヵ所かぶつけてたから、ちょっと心配していた。

まぁ、治ったんなら良かった。



「ねぇ、雪塚さんは研究テーマ何にした?」

「歴史かな。おじいちゃんとおばあちゃんに、昔話と流行った物を聞いたから、それをまとめようと思ってる」