お日さまみたいな温かい君に包まれて

途切れ途切れに話している様子。
おかしいと感じ、もう1度声をかけようとしたその時──。



「っ、だ、大丈夫⁉」

「うっ……ごめん……」



消え入りそうな声で、俺の胸の中で苦しそうに呼吸をしている彼女を支える。


まさか、熱中症……⁉ それか貧血⁉

さっきから全然話さないなって思ってたら、体調悪かったの⁉


照りつける太陽と、アスファルトからの熱気に挟まれ、熱々のサンドイッチ状態。

っと、とにかく、どこか日陰に移動しないと。ここじゃ直射日光がキツすぎる。



「歩ける……?」

「うん……」



少しフラついているものの、歩けそうなので、ゆっくり歩を進めて日陰を探す。

ここからだと俺の家が近いけど、日陰が全然ないんだよな……。
5分以上もの間、ひなたを歩くのはキツいし……。



「……雪塚さん、家まで送るよ。家、どっちにある?」

「あ、あっち……」



震える声で指差したほうを見ると、道路沿いの建物の近くに、自動販売機を発見。
しかも、その近くに大きな看板があって、下に少し日陰ができている。


ラッキー、これで水分補給できる。


バッグからタオルを出して彼女の頭に被せ、ゆっくりと看板下の日陰へ歩を進めた。