お日さまみたいな温かい君に包まれて

◎○○



翌朝。



「一時はどうなるかと思ってたけど、無事に乗り越えられてホッとしたよ~」



熱弁する東馬の声に耳を傾ける。

東馬も昨日三者面談だったようで、今学期の成績も、見事学年首位をキープできたんだそう。


短冊に成績維持のことも書いたため、俺と同じように、心の中で織姫と彦星にお礼を言ったらしい。

まさに、類は友を呼ぶ。学力や体格は全然違うけど。



「あ、雪塚さんおはよ~!」



陽気な東馬の声に体がピクッと反応した。

恐る恐る視線を移し、登校してきた彼女と目を合わせる。



「おはよう西尾くん。清水くんもおはよう」

「あっ……おはよう」



昨日の様子とはうって変わって、にこやかに挨拶してくれた。

目を合わせてくれてホッと一安心。


ただ……。



「雪塚さん、カーディガン着てきたの?」

「うん。冷房が寒かったから」

「あー、雪塚さんの席、冷房直撃だもんね」



昨日に比べて、ちょっとまぶたが腫れているように見える。

お母さんと仲直りできたか気になるけど……今は聞かないほうがいいかも。