お日さまみたいな温かい君に包まれて

先生は俺の目を真っ直ぐ見て言い放った。



「……いいんですかね? 進路のことを聞くのって、嫌がられたりしませんか?」

「ガツガツ尋ねるのはあれだけど、『吐き出したいことがあるなら、話聞くよ』くらいは言ってもいいと思う。清水くんは既に進路が決まっているし、まだ進路が決まっていない人達に比べて、あまりピリピリしてないから」



言われてみれば……中学の時も、まだ受験が終わってない人には、話しかけるなオーラが漂ってて、ちょっと近寄りがたかったっけ。

相談なら先生に話せばいいんじゃない? と思ったけど……大人相手じゃ、相談しにくい内容もあるか。


教室を後にし、昇降口へ向かう。



「景斗、雪塚さんはこの辺りに住んでるの?」



すると、突然母が口を開いた。



「えっ、あぁうん。家は知らないけど、学校まで自転車で15分って言ってたから。……なんだよいきなり」

「ちょっと気になっただけ。よくうちに遊びに来てるから」



神妙な面持ちで答えた母。

おかず交換の時もだったけど……俺、雪塚さん家のこと全然知らないな。

何人家族なのかとか、どの辺に住んでいるのとか。


……お母さんが厳しいから、あまり家のことを話したくないのかな。