生まれた時から私の前にはお姉ちゃんがいた。


時々優しいのに、時々怖いお姉ちゃん。

幼い私は、調子に乗ってお姉ちゃんに何度も甘えた。



どうして今日は怒るんだろう・・・

怒られるたびに考えた。



そのうちに、怖くなって甘えることをやめた。


そのせいで、いつの間にかお姉ちゃんと私の間には分厚い壁ができてしまったんだね。



でもね、嫌いだったわけじゃない。


お姉ちゃんがいるってことが嬉しかった。



だんだんどう接していいのかわからなくなって、挨拶さえうまく交わせなくなっていた。


お姉ちゃんの気持ちを考えることができなかった。



辛いのは私だけじゃなかった。



でも過去は過去。


あの頃があったから、今がある。




ずっと仲良しだったら、こんなにもお姉ちゃんを大事に思えなかったかも知れない。


一度失ったからこそ、大切さがわかる。