褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

今朝見た光景を口にすると、兄は無言でそっぽを向いた。

隠したつもりなんだろうけど、赤くなった耳が見えてるよ。



「……あの話、誰にも言ってねーよな?」

「……何の話だっけ?」



とぼけて返答するも、「ふざけてんのか」と睨まれてしまった。



「言ってないよ。雪塚先輩の匂いを探し求めてるなんて誰にも言ってないよ」

「わかってんなら普通に答えろ。あと、後半もう少し言い方考えろ」

「はーい」



フフフ、顔真っ赤。誕生日プレゼントを渡すのが楽しみ〜。早く来ないかな。







「そうだ、やきもちの話で思い出したんだけど……草山さん、ああ見えて結構嫉妬深いから、東馬と話す時は気をつけろよ」



帰宅して部屋に入ろうすると、神妙な面持ちで呼び止められた。


草山さん……は、手芸部で西尾先輩の隣に座ってた人だったよね。

すごく落ち着いている印象だったから、嫉妬深そうには見えなかったけど……。



「そんなに怖いの?」

「あぁ。今はないけど、1年の最初の頃、東馬に『一緒に遊ぼうぜ』って話しかけただけで睨まれたことがあったんだ」