と、感動していたのもつかの間。
「こいつ、中学ん時に男子に酷いこと言われて傷ついて、それで男子が苦手になって引っ込み思案になったんだ」
兄は勝手に私の過去を話し始めた。
「ちょっと! 勝手に話さないでよ!」
「あ、ごめん」
もう! 優しいとこあるじゃんって感動してたのに。
「とにかく! 実玖は東馬と交流して、男子に慣れて、自信をつけろ。で、東馬は実玖に思わせ振りな言動を取るな。わかったか?」
「「はーい」」
なんとかケンカが収束。
やっと落ち着いたと思ったのだけど……。
「……この俺様系シスコン兄貴め」
「ん? 何か言った?」
「いや何も? ほら、続き見ようよ!」
……先輩、今、サラッと誤魔化しましたけど、私にはハッキリと、シスコン兄貴と聞こえてましたよ。
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「このデザイン、文化祭のファッションショーで使いたいな」
「え、マジで言ってる?」
「うん。こんなにたくさんあるのに、実現してないなんてもったいないよ」



