褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

前にいる可南子に続き、入口で一礼して中へ。

在校生達の拍手を浴びながら一歩一歩進んでいく。


人がいっぱい……。

俯きたいけど、それだと余計目立っちゃうからダメだ!


ドキドキする胸を抑えてなんとか列に並んだ。



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「新入生が退場します。温かい拍手でお見送りください」



校長先生の話と先輩達による部活紹介が行われ、対面式が終了した。

そのまま後ろを向き、前の人に続いて出口へ向かう。


やっと終わった……。これでもう注目されずに済む……。



「っ……!」



ホッとして完全に油断していたのか、在校生の列にいる兄と目が合ってしまった。

兄もこちらに気づいたのか、小さく手を振っている。


振り返したほうがいいんだろうけど、そんなことしたら絶対目立つからできない!


慌てて視線を逸らしたものの……逸らした先に、今度は西尾先輩が。


うっ、どうしよう、目合っちゃった……。


再び目を逸らし、兄と西尾先輩に心の中で何度も謝りながら体育館を後にした。