褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません


店員さんに再度おやつをもらい、須川くんに猫について教えてもらう。



「さっきのフサフサの猫ちゃんはメインクーンっていうんだよ」

「メインクーンね。覚えた! この猫はロシアンブルー?」

「あー、色が似てるけど、この子はブリティッシュショートヘアだよ」



さすが猫好き。博士のように種類をポンポン言っていく。



「詳しいね。猫カフェとかペットショップによく行くの?」

「ペットショップにはおやつを買いによく行くよ。猫カフェみたいに、直接猫と触れ合うところにはたまに行くかな。あまり行くとうちの子がやきもち妬くから」



そういえば猫って、縄張り意識が強かったよね。
野良猫が縄張り争いでケンカしてるのを何度か見たことがある。



「そっか。今日は大丈夫なの?」

「……多分」



苦笑いしている。

その様子だと、今までにも嫉妬攻撃を受けてるっぽいな。猫パンチとか食らってそう。



「実玖~! ちょっといい? 写真撮ってくれる?」

「はーい」



振り向くと、大きな猫を抱えた可南子が満面の笑みで立っていた。スマホを取り出して写真を撮る。

いつもはサバサバしてる可南子がこんなにもデレデレしてるなんて。猫パワー恐るべし……!