褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

「あんたイケメンだし、物腰柔らかいから心配で心配で……」

「何もされてないよ。そういうのは全部断ってるから大丈夫」



おばあちゃんみたいに過保護になっている可南子。

爽やかに笑ってるけど、断ってるってことは経験があったんだ。イケメンも大変なんだなぁ。


約10分後、猫カフェに到着。

店員さんの説明を受けて中に入ると、たくさんの猫達がのびのびと過ごしていた。



「はぁ~〜! 可愛い~〜!」



テンションが暴上がりした可南子。

早速おもちゃを持って猫達の元へ駆け寄っていく。


……なんか、逃げられてない?

可愛いのはわかるけど、猫達ちょっとビックリしてるよ。



「才木さん、はしゃぐ前にまずは挨拶しないと」

「え? 挨拶?」

「そう。こうやって、ゆっくりまばたきをするんだよ」



へぇ、猫への挨拶があるんだ。飼ってるだけあって詳しいな。



「猫ちゃん、こんにちは」



早速近くに座っていた猫にやってみた。
しかし……反応なし。

あれ? もうちょっとゆっくりしたほうがいいのかな?



「こんにちはー」

「…………」



別の猫に挨拶してみたけれど、鳴くわけでもなく、静かにまばたきをしただけで終わった。

もしかして眠いのかな?
それなら邪魔しないほうがいいかも。