◇
「ただいま~」
「あ、おかえり。もう飯できてるってよ」
「わかった~」
午後6時。ショッピングを終えて帰宅。
廊下を歩く兄に返事をして、荷物を置きに部屋へ向かう。
「なぁ、今日誰と遊んでたの?」
すると、階段を1段上がったタイミングで呼び止められた。
「ぶ、部活の先輩とだよ」
「ふーん……なんか石鹸のいい匂いがするなぁって思ってさ」
石鹸……多分その匂いは雪塚先輩の匂いだ。
今日はバスの中で至近距離で話したから、その時に匂いが移ったのかもしれない。
にしても、お兄ちゃんの嗅覚鋭いな。
「そんなに匂う?」
「いや、そこまでは。かすかに香るくらい」
気分が良くなった兄は、そのままペラペラと話し続ける。
「実はこの匂い、俺の好きな子の匂いに似てて。何の香水使ってるんだろうって、ずっと探してるんだけど、なかなか見つからなくてさ〜」
んんん……⁉
それって、雪塚先輩の匂いを探し求めているってこと……⁉
「な、なんでそんなに探してるの?」
「え? 会えない時でも寂しくないじゃん。部屋中に振りまけば、一緒に過ごしているかのよう……って、何言ってんだ俺」
「ただいま~」
「あ、おかえり。もう飯できてるってよ」
「わかった~」
午後6時。ショッピングを終えて帰宅。
廊下を歩く兄に返事をして、荷物を置きに部屋へ向かう。
「なぁ、今日誰と遊んでたの?」
すると、階段を1段上がったタイミングで呼び止められた。
「ぶ、部活の先輩とだよ」
「ふーん……なんか石鹸のいい匂いがするなぁって思ってさ」
石鹸……多分その匂いは雪塚先輩の匂いだ。
今日はバスの中で至近距離で話したから、その時に匂いが移ったのかもしれない。
にしても、お兄ちゃんの嗅覚鋭いな。
「そんなに匂う?」
「いや、そこまでは。かすかに香るくらい」
気分が良くなった兄は、そのままペラペラと話し続ける。
「実はこの匂い、俺の好きな子の匂いに似てて。何の香水使ってるんだろうって、ずっと探してるんだけど、なかなか見つからなくてさ〜」
んんん……⁉
それって、雪塚先輩の匂いを探し求めているってこと……⁉
「な、なんでそんなに探してるの?」
「え? 会えない時でも寂しくないじゃん。部屋中に振りまけば、一緒に過ごしているかのよう……って、何言ってんだ俺」



