褒め上手な先輩の「可愛い」が止まりません

バスに揺られること約20分。
目的地に到着した。


今日は明後日の猫カフェに着ていく服を買いにきたんだ。

雪塚先輩も一緒に選んでくれるんだって。

なんて優しいんだろう。



「実玖ちゃんはどんな服が欲しい?」

「えっと……ジャンルは特になくて、体型をカバーできるのと、猫の毛がついても目立ちにくい服が欲しいです」

「んー、なら明るい色の服がいいかもね。原色よりもパステルカラーみたいな色のほうが目立ちにくそう。それに、薄い色って膨張して見えるから、体型もカバーできそうだし」



先輩はわかりやすく説明しながら、色物の服を次々と手に取っていく。

さすが。絵が上手いだけあって色に詳しい。私も色の勉強してみようかな。



「実玖ちゃん! このシャツとカーディガンはどう?」



Tシャツを見ていると、先輩は両手にシャツとカーディガンをそれぞれ2着ずつ持って見せてきた。



「カーディガンは他の色もあったんだけど、実玖ちゃんに似合いそうなのを選んでみたよ」

「ありがとうございます! わぁ、これ可愛い……」



手に取ったのは、花の形をしたボタンがついた、ミントグリーンのカーディガン。

生地は薄めで夏向けだけど、重ね着すると春も着れそうだ。